乙嫁語り

相方が不意に思い立って買ってきた『乙嫁語り』。
絵で物語るタイプの漫画を目一杯堪能しました。
アミルさん最高。

そういや旦那であるカルルクは12歳ですが、この年齢設定を見て思い出したのが橋本治さんの『源氏供養』というエッセイでして。
『窯変　源氏物語』を書き終わった後、橋本治さんが源氏物語の世界や人物についてつづった物なんですが、その中に12歳で結婚した男の心理や性をを探るといった内容の1編があったんです。
12歳で結婚するということは12歳で大人になるということ。そういう時代であったと言えばそれまでですが、やはりそれにうまく順応できなかった者もいたという話なんですね。
光源氏は12歳の時に葵の上と結婚しますが、この2人の夫婦仲はあまり良くないように描写されていますよね。一般的には葵の上の性格が大きな原因となって源氏とすれ違ったと解釈されていますが、そこには12歳でいきなり大人にされてしまった少年のとまどいも少なからずあったのではないか、と橋本治さんは語っていました。
カルルクとアミルさんを見てると、そういう事も脳裏に過ぎって、すごく応援したい気持ちになってきます。
頑張れカルルク、アミルさんと一緒に幸せになるんだ！



余談ですが、件の『源氏供養』は前・後編の文庫本なのですが、二十歳頃に前編だけ購入し、後編もいつか買おうとおもっているうちに書店に並ばなくなってしまいまして……orz
気になった本はメシ代を削ってでも買わなくてはならんということを学んだ体験でした。